「治療しているのに良くならない…」
「ケガが続いて、もう競技ができなくなるかも…」
そんな不安を抱えていませんか?
当院では、表面の痛みだけにとらわれず、ケガの本当の原因を見極めることで、
根本からの改善を目指した治療を行っています。
実際に、痛みのある部分には一切触れずに治療が完了(回復)するケースも少なくありません。
「なぜ今回このケガが起きたのか?」
「身体のどこに不具合があったのか?」
を徹底的に追求し、競技復帰後にはケガ前よりも良いパフォーマンスを発揮できる身体を目指します。
プロ選手、プロ志望の大学生
部活に励む小・中・高校生
健康的にスポーツを楽しみたい社会人やシニア層
多くの方が当院で治療を受け、競技復帰を果たしています。
「スポーツがまた楽しくなった!」という声も多数いただいています。
✅ じっくりとお話をお聞きします(ケガの経緯・ご希望)
✅ 目標(例:○月○日の大会までに復帰したい)を確認
✅ メンタル面のケアも意識しながらサポート
✅ 全身のバランス(ゆがみ・ねじれ・関節のゆるみ)を検査
✅ 痛みの場所にこだわらず「本当の原因」を追求します
骨格のゆがみや関節のズレを整える調整
症状に合わせたパーソナルトレーニング
スーパーライザーなどの物理療法
必要に応じて理学療法やテーピング処置
例:ハムストリングスの肉離れなど、一見安静が必要に思えるケガでも、状態を見極めたうえで早期回復に向けた積極的なリハビリを行います。
当院独自の回復プログラムは、多くの選手に支持され、
「ケガ前よりも良い結果が出た」「身体の使い方が変わった」
といった声が多数届いています。
ケガをきっかけに身体の状態を見直し、
さらに高いレベルのパフォーマンスを目指すチャンスでもあります。
「もうダメかも」と落ち込まず、
当院で一緒に【復帰からその先の“成長”】を目指しませんか?
鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)
股関節痛
オスグッド病
有痛性外脛骨障害
シーバー病(かかとの痛み)
ハムストリングスの肉離れ
足関節捻挫・アキレス腱炎
膝の痛み(ジャンパー膝など)
肩・肘・手首の痛み
骨折後・脱臼後のリハビリ
その他各種スポーツ外傷・障害
お悩みやご不安な点がありましたら、どんなことでもご相談ください。
サッカーやフットサルなど急激な方向転換や強いキック動作が多いスポーツでは、鼠径部(脚の付け根)に痛みを抱える選手が少なくありません。こうした鼠径部の慢性的な痛みの総称が「グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)」です。
実際にこの症状により、中田英寿選手や中村俊輔選手、往年の中山雅史選手といったトッププロも苦しんだことがあり、サッカー選手にとって職業病とも呼ばれるほど一般的な障害です。
本記事では、グロインペイン症候群の定義と発症メカニズム、サッカー特有の動作との関係、プロ・アマチュア・学生各層における発生状況の違い、予防法とセルフケアのポイントについて解説します。
最後に立川市周辺での治療・サポート環境にも触れ、早期受診の重要性と「ありた整骨院」の役割についても紹介します。
グロインペイン症候群とは、鼠径部(股関節周囲)に生じる慢性的な痛みを指し、その正体は様々な組織の損傷によるものです。
特定のケガではなく複数の障害の総称であり、原因の特定が難しいため「症候群」と呼ばれます。具体的には、恥骨結合炎(恥骨の炎症)、内転筋腱の付着部炎、腹直筋や大腿直筋の付着部炎、腸腰筋の炎症、さらには鼠径ヘルニア(いわゆるスポーツヘルニア)など、股関節の周辺で起こる様々な損傷の総称です。
要するにグロインペイン症候群という名称自体、「鼠径部まわりで起こる痛みの原因は一つではない」ことを示しています。症状としては鼠径部の圧痛や運動時痛が主で、ときに痛みが大腿内側(内もも)や下腹部にまで放散することもあります。
初期は走ったりボールを蹴った時だけ痛みますが、悪化すると立ち上がりや歩行といった日常動作でも痛みが出て、慢性化すれば鼠径部が常に痛むようになります。
鼠径部痛症候群で痛みが現れやすい箇所の例 – グロインペイン症候群では、鼠径部(鼠径管付近)を中心に、恥骨周辺や内転筋付着部、下腹部など複数の箇所に痛みが発生する場合があります。
これらはいずれもサッカーの動作で大きな負荷がかかる部分であり、痛みの部位が人によって異なるのが本症候群の特徴です。
では、なぜサッカー選手に鼠径部の痛み(グロインペイン症候群)が起きるのでしょうか。
その発症メカニズムを一言でいえば、股関節周辺の筋肉や腱に過度なストレスがかかる(使いすぎ)ことによる損傷です。
鼠径部には体幹(腹筋群・腸腰筋など)から骨盤・股関節につながる筋肉、そして太ももの前後や内側(大腿四頭筋群・ハムストリングス・内転筋群など)の筋肉が集中し、これらの筋や腱が恥骨付近に多数付着しています。
サッカーの激しい練習や試合でこれら筋肉を繰り返し酷使すると、付着部を中心に筋組織や腱に微細な損傷や炎症が蓄積し、痛みとなって現れます。
特にキック動作やダッシュ・急停止の反復で骨盤や股関節に大きな引っ張りストレスが加わると、筋付着部の炎症や、ひどい場合は骨の剥離(アボルジョン損傷)さえ引き起こすことがあります。
また、下半身への強い衝突(スライディングタックル等)による股関節周辺の打撲が引き金になるケースもあります。以上のように恥骨・鼠径部への過度な負荷の蓄積こそが主な原因で、結果的に前述した様々な部位の損傷(筋や腱の炎症、骨の障害など)につながるのです。
この過程には、選手の身体的要因も絡んできます。たとえば股関節まわりの柔軟性の低下や体幹・股関節筋力の低下があると、急激な動きに筋肉や腱が耐えられずケガにつながりやすくなります。
実際、グロインペイン症候群の患者には股関節周囲筋が硬くなっていたり、体幹深部の筋力低下によって動作の安定性が損なわれているケースが多いことが報告されています。
一方で明確な構造的損傷が画像検査で見つからない場合もあり、そのような機能的問題が痛みの原因となっていることも少なくありません。総じて、股関節の硬さや筋力バランスの乱れが根底にあり、そこにサッカー特有の激しい動作による負荷が重なることで発症リスクが高まると言えます。
サッカーは鼠径部に負担をかける動きが非常に多いスポーツです。その代表はやはりキック動作でしょう。強くボールを蹴る際には股関節を大きく振りかぶり、瞬間的に内ももの内転筋などを最大収縮させます。
また、踏み込み足(軸足)側でも体をひねって踏ん張るため、左右両側の鼠径部に大きな負荷がかかります。さらに試合中は鋭い方向転換(急ターン)や全力ダッシュと急停止などの動作も繰り返され、これらも股関節周囲の筋や腱に強いストレスを与えます。
例えば、ディフェンスをかわすために一歩目を切り返した瞬間や、思い切りシュートを放った瞬間に「鼠径部にピリッと鋭い痛みが走った」というエピソードは、典型的な内転筋の肉離れ発生時の例です。
このようにサッカーの**「蹴る・走る・止まる・ひねる」**動作は常に鼠径部へ負荷をかけており、その積み重ねがオーバーユース(使いすぎ)による慢性的な痛みにつながります。
一方、サッカー以外のスポーツでもグロインペイン症候群は起こりますが、サッカーでの発生頻度は突出して高いことが知られています。
切り返し動作やキック動作を伴うスポーツ(ラグビー、ホッケー、野球、バスケットボールなど)で鼠径部痛はしばしば見られますが、その中でもサッカーでの発生率が群を抜いていると報告されています。
実際、サッカー競技における負傷全体の中で鼠径部のケガが占める割合は他競技に比べても非常に高く、男子サッカーでは全傷害の4~19%が鼠径部関連、女子サッカーでは2~14%が鼠径部関連だったとの分析もあります。この数字からも、サッカーという競技の特性上いかに鼠径部への負担が大きいかが分かります。
グロインペイン症候群はプロ選手から草野球ならぬ草サッカーまで、競技レベルを問わず発生し得る障害です。ただし、統計を見ると選手の性別や年齢、競技レベルによって発生傾向に差があることも分かっています。
一般に男性サッカー選手の方が女性よりリスクが高く、先述のように発生割合も男性の方が約2倍近く高い傾向があります。年齢では主に10代~30代の競技者に多発し、特に成長期にあるジュニア世代や練習量の多い高校・大学年代で発症しやすいとされています。実際、中学・高校の部活動で練習のしすぎにより鼠径部痛を抱えるケースも決して珍しくありません。
競技レベルで見ると、やはりトップレベルほど発症率が高い傾向があります。プロのトップリーグでは、その競技強度の高さゆえに毎シーズン全選手の約15~20%が鼠径部のケガで離脱するというデータもあります。
まさにエリート選手ほど鼠径部にかかる負荷も大きく、注意が必要と言えるでしょう。一方で、アマチュアであっても油断はできません。急に運動量を増やしたり、準備不足の状態(柔軟性が低いまま十分なウォームアップをせずに激しいプレーをする等)では、レベルに関係なく容易にグロインペイン症候群を発症し得ます。
要するに競技レベルにかかわらずサッカーというスポーツの性質上どうしても鼠径部に負担が集中しやすいため、全ての選手がリスクを抱えているのです。プロ・アマ・学生問わず、「自分は大丈夫」と過信せず日頃からケアと予防に努めることが重要となります。
グロインペイン症候群は一度発症すると長引きやすく、慢性化してしまうと競技を数ヶ月単位で休まざるを得なくなるケースもあります。したがって予防が何より重要です。ここでは日々のトレーニングやセルフケアで心がけたい主な予防策をまとめます。
十分なウォームアップ(準備運動): 運動前には必ず入念なウォーミングアップを行い、筋肉や関節をしっかり温めましょう。軽いジョギングやダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)などで血流を促し、股関節周囲の筋肉を事前に動かしておくことで、急な動作による筋肉・腱の損傷リスクを軽減できます。適切なウォームアップは筋肉を守る基本であり、ケガ予防の第一歩です。
バランスの取れた筋力トレーニング: 体幹から下肢にかけて全体の筋力バランスを整え、弱点部位を補強しましょう。特に内転筋群(太ももの内側)や下腹部、骨盤周囲の筋肉はグロインペイン症候群の予防の鍵となります。体幹(腹筋・背筋)や臀部の筋力も含め、股関節周りを安定させるトレーニングが有効です。
実際、片足を台に載せて行うシンプルな内転筋強化エクササイズ(コペンハゲンアドダクション)を週に数回取り入れたところ、サッカー選手の鼠径部痛発生率を約4割減少させられたとの報告もあります。筋力が付けば、キックや急停止の際にも筋肉が十分な負荷に耐えられるようになりケガのリスクが下がります。
股関節周りの柔軟性向上: 硬すぎる筋肉はケガのもとです。股関節の可動域を広げ、筋・腱へのストレスを減らすために、日頃からストレッチを習慣にしましょう。
特に縮こまりやすい内転筋群(内もも)や、その拮抗筋であるお尻の筋肉(大殿筋)・ハムストリングス、さらに**腸腰筋や大腿直筋(太ももの前側)**といった股関節の屈伸に関わる筋肉をバランスよく伸ばすことが大切です。
練習後や入浴後の静的ストレッチでは各部位15~30秒程度かけ、左右差なく柔軟性を維持するよう心がけてください。柔軟性が高まれば、急な動きでも筋肉がしなやかに対応し、負荷をうまく逃がせるようになります。
適切なリカバリー(休養と負荷管理): オーバーユースを防ぐため、練習強度や頻度の管理も重要です。ハードな練習や試合が続く場合でも意識的に休息日を設け、鼠径部に違和感を覚えたら早めに対処しましょう。
痛みを感じ始めたら無理してプレーを続けず、必要に応じてアイシングや軽いストレッチでセルフケアしつつ休むことが肝心です。またトレーニングの負荷は一気に上げず徐々に段階を踏んで高めるようにして、筋や腱が適応する時間を与えます。
さらに、練習後のクールダウンや栄養・睡眠など身体の回復にも気を配り、筋肉の修復・強化を促すことが予防につながります。要は「休むときはしっかり休む」というメリハリが大切です。
こうした休養・ケアを怠らないことで、グロインペイン症候群のリスクを大きく低減できます。
以上のような予防策を徹底しつつ、自分の身体の状態に常に注意を払うことが何より重要です。特に鼠径部に少しでも違和感や痛みの兆候を感じたら、放置せず**早めに対処(休養や専門家への相談)**する習慣をつけましょう。
グロインペイン症候群を発症してしまった場合は、できるだけ早く適切な治療とリハビリを開始することが大切です。
幸い立川市周辺にはスポーツ障害に対応できる整形外科や整骨院が複数あり、サッカー選手のケア体制が整っています。中でも立川市のありた整骨院は、痛みの根本改善とスポーツリハビリに力を入れている施術院です。
当院ではプロのアスリートから学生まで幅広い世代のスポーツ選手が来院しており、一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの施術とリハビリプログラムで競技復帰までサポートしています。
グロインペイン症候群のように原因が多岐にわたる症状でも、表面的な痛みだけでなく根本原因にアプローチすることで改善を図ります。実際に痛みの出ている部位だけでなく、骨盤や股関節の柔軟性、筋力バランス、姿勢や動作のクセまで総合的に評価し、手技療法や電気治療、運動療法を組み合わせて治療を進めていきます。
立川市という地域柄、学校の部活動でスポーツに励む学生さんから社会人のクラブプレーヤーまで多くの方が当院を利用していますが、「痛みの再発なく競技に復帰できた」「ケガ前よりコンディションが良くなった」という声も頂いています。
グロインペイン症候群でお悩みの方も、ぜひ立川市の専門的なサポート環境を活用し、適切な治療とリハビリで早期回復を目指しましょう。
最後に、グロインペイン症候群への対処は早ければ早いほど良いという点を強調しておきます。
鼠径部の痛みを無理に我慢してプレーを続けると、軽症で済んだはずの損傷が悪化して慢性化し、治癒に長い時間を要する恐れがあります。
実際、「少し痛いけど練習を休みたくない」という心理から受診が遅れ、結果的に数ヶ月の離脱を余儀なくされるケースも少なくありません。そうならないためにも、痛みを感じた段階で早めに専門家に相談することが肝心です。
整形外科や整骨院では、画像検査や触診・動作検査によって他の重篤な障害(疲労骨折や鼠径ヘルニア等)との鑑別を行い、適切な処置とリハビリ計画を立ててくれます。
特に整骨院では手技による筋膜リリースや関節調整などの保存療法に加え、競技特性に合わせたリハビリ指導が可能です。
また、整骨院の役割として再発防止の指導も重要です。
ただ痛み止めを飲んで一時的にごまかすだけでは、すぐに再発してしまったり、さらに大きなケガにつながる危険があります。
そうではなく、「なぜこの痛みが起きたのか?」を明らかにして、痛みの原因となった機能不全(筋力低下や柔軟性不足など)を評価・治療し、再発を予防することが大切です。
例えば股関節の硬さや骨盤の歪みが背景にあるならその調整を行い、内転筋の筋力不足があればトレーニングで補強するといった具合に、根本原因にアプローチします。
ありた整骨院でも、選手・患者様それぞれの症状の原因を突き止め、痛みの改善だけでなく再発しない体づくりまで視野に入れた施術を心掛けています。
早期に適切な対応を行えば、競技への復帰もスムーズになりますし、「ケガをする前より良いコンディション」でピッチに戻ることも十分可能です。
立川市のありた整骨院ではグロインペイン症候群を含むスポーツ障害の施術実績が豊富にあり、地域の選手の皆様のサポートに全力を尽くしています。
グロインペイン症候群かな?と感じたら、ぜひ早めにご相談ください。適切な治療とリハビリ、そして予防策の指導を通じて、大切なサッカー人生を末長く支えていきます。
こんにちは、ありた整骨院です。
本日はスポーツをされている方を中心に多く見られるケガのひとつ、**「肉離れ」**についてご紹介いたします。
肉離れとは、筋肉が急激に引き伸ばされた際に、筋繊維が部分的または完全に断裂してしまう状態のことです。ふくらはぎや太ももなど、運動中によく使う筋肉に起こりやすいケガです。
スポーツ中の急なダッシュ・ジャンプ
準備運動不足
筋疲労の蓄積
柔軟性不足
「ブチッ」と音がした後の鋭い痛み
腫れや内出血、青あざ
筋肉を伸ばしたり押すと痛い
歩行困難や、体重をかけられない感覚
ありた整骨院では、肉離れの処置においてアイシングは基本的に行っておりません。
冷やしすぎることが血流を阻害し、回復を遅らせる可能性があるという近年の見解に基づき、自然治癒力を最大限引き出すケアを行っています。
1秒間に100万回以上の振動を筋肉深層部まで届け、治癒を促進します。
ケガ直後でも使用可能な、痛みの少ない治療機器です。細胞の修復を助け、炎症の広がりを防ぎます。
深部に届く近赤外線が血行を促進し、回復をサポート。自律神経への効果もあり、ストレス緩和にも役立ちます。
中学2年生 男子サッカー部(ハムストリングス肉離れ)
試合中にダッシュをした瞬間、太ももの裏に「ブチッ」とした痛みが走り、歩行も困難に。整形外科で「軽度の肉離れ」と診断され、当院へ来院。
▶治療内容:
・初期はレボックスで炎症の抑制
・炎症がおさまってから超音波+スーパーライザー治療
・ストレッチ指導とセルフケアアドバイス
▶結果:
約2週間で日常生活に支障のない状態に回復。
3週間後には軽めのトレーニングを再開。
1ヶ月後には部活動にも復帰できました!
「初めてのケガで不安だったけど、先生が丁寧に説明してくれて安心しました!痛みが早く引いて、またサッカーができるようになって嬉しいです!」
(立川市・14歳 男性)
「以前は冷やすのが当たり前だと思っていましたが、冷やさずに治すというのが新鮮でした。結果的にとても早く回復できて驚いています!」
(昭島市・40代 女性 ランナー)
当院では、治療だけでなく再発予防のためのトレーニング・ストレッチ指導にも力を入れています。特に学生アスリートの皆さんには、ケガを防ぎ、長く競技を続けられる身体づくりをサポートしています。
「ただの筋肉痛かな?」と思っても、実は軽度の肉離れというケースも少なくありません。
違和感を感じたら、無理せず早めの受診をおすすめします!
立川・多摩エリアで肉離れの治療は、ありた整骨院にお任せください。
スポーツ現場において足関節捻挫は非常に多く発生する外傷の一つです。競技中の負傷全体の約45%が足関節捻挫に関連するとの報告もあり、特に方向転換やジャンプ動作の多い競技(バスケットボール、サッカー、バレーボールなど)で発生率が高いことが知られています。
足関節捻挫は一見軽傷に思われがちですが、不適切な対応をすると再発を繰り返したり慢性的な不安定性を残したりして、競技パフォーマンスや生活の質に長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、スポーツ選手の足関節捻挫について、その発生要因から評価、治療、予防、競技復帰まで、最新エビデンスに基づく実践的な管理戦略を解説します。
足関節捻挫はどのスポーツでも起こりえますが、特に走る・跳ぶ・方向転換するといった動作の多い競技で頻発します。多くの場合、足関節を内側にひねる(足が底屈・内反位になる)動作によって外側靭帯(前距腓靭帯や踵腓靭帯など)が損傷される外側捻挫が生じます。
例えばジャンプの着地時にバランスを崩して足をひねったり、他選手の足を踏んで足関節が内反したり、ランニング中に足が地面に固定された状態で体が倒れるなどの場面でよく発生します。
こうしたメカニズムにより、一瞬の判断ミスや接触プレーで足関節に過度な負荷がかかると捻挫が起こりやすくなります。
個人要因としては、過去に足関節を捻挫した既往があることが最も一貫したリスク要因とされています。
一度捻挫を経験すると靭帯の緩みや固有受容感覚の低下が残り、再び捻挫しやすくなるためです。
また研究によれば、筋力やバランス能力の低下、および極端な体重・BMI(高すぎても低すぎても)は足関節捻挫のリスクを高めることが報告されています。特に男性アスリートでは股関節の筋力(臀部の外転筋力)や動的バランス能力の低さが捻挫リスクと相関し、女性では足関節背屈筋力の弱さが一因となる可能性が示唆されています。さらに準備運動不足や筋肉・靭帯の疲労蓄積も外的リスク要因です。
ウォームアップを十分行わずいきなり激しい運動を始めると、筋・靭帯が硬いままで捻挫のリスクが高まります。また運動後半に筋疲労が蓄積した状態で無理を続けるとケガの確率が上がるため、適度な休息を挟みながらプレーすることも重要です。
重症度の判定(Grade分類): 足関節捻挫は一般に損傷の程度により3段階のグレードに分類されます。**Grade I(軽度)**は靭帯繊維の微小な損傷で関節の不安定性はありません。
Grade II(中等度)は靭帯の部分断裂であり、腫脹・圧痛が中程度、生じた靭帯の緩みによりわずかな不安定性を認めます。
Grade III(重度)になると靭帯が完全断裂し、著名な腫脹や疼痛とともに関節の明らかな不安定性を呈します。
診察では腫れや内出血の程度、圧痛部位、可動域制限などから概ねの重症度を推測します。
靭帯の断裂が疑われる場合、前方引き出しテストや距骨傾斜テスト(足関節の不安定性を調べる徒手検査)を行います。
これらの靭帯ストレス検査は、受傷直後よりも数日経過して腫脹が落ち着いた時期に実施した方が診断精度が高いことが報告されており、痛みが強い急性期には無理せず、数日後にあらためて評価することも有用です。
骨折の除外と画像診断の必要性: 捻挫直後の評価では、まず骨折の有無を確認することが重要です。痛みや腫れが強い重度の捻挫では症状が骨折と酷似する場合があり、必要に応じてX線(レントゲン)検査で骨の異常をチェックします。
エビデンスに基づいた指標としてオタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)が知られており、圧痛の部位(くるぶし周囲の骨)や荷重歩行の可否により骨折の可能性を評価して、レントゲン検査の要否を判断できます。
このルールは急性足関節外傷における骨折除外の臨床判断ツールとして有効であることが多数の研究で実証されています。
骨に異常がなく純粋な捻挫と診断された場合でも、靭帯や軟骨の損傷程度を把握するために追加の画像検査が考慮されることがあります。
MRI(磁気共鳴画像)は靭帯断裂や軟骨損傷の検出に優れており、急性期の前距腓靭帯や踵腓靭帯の断裂も高い精度で描出可能です。特に症状が重い場合や、高度の腫脹が引かず他の損傷が疑われる場合、あるいは数週以上経過しても痛みが続くようなケースではMRI検査が有用です。
超音波検査(エコー)も足関節靭帯の損傷評価に用いられることがありますが、MRIと比べると感度・精度がやや劣るため、靭帯断裂の見落としには注意が必要です。
一方でストレスX線(靭帯断裂による関節の開き具合を写すレントゲン)については、急性期の靭帯損傷を検出する目的では信頼性が低いとされています。
総じて、足関節捻挫の評価では臨床所見に基づく重症度判定と、骨折除外のためのX線をまず行い、必要に応じてMRI等で靭帯・軟部組織の詳細評価をするというステップが推奨されます。
足関節捻挫の治療は、急性期(受傷直後〜数日)、回復期(亜急性期〜リハビリ期間)、そして競技復帰期の段階に分けて考えると分かりやすいです。それぞれの段階で適切な対応をとることで、治癒を促進し再発リスクを最小限に抑えることができます。以下に段階別の戦略を解説します。
損傷直後~数日の急性期は、炎症と腫脹をコントロールし二次的な組織障害を最小限にすることが目標です。
基本はRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)を速やかに行います。
受傷後は可能な限り早く患足を安静にし(必要に応じて松葉杖を使用して体重をかけないようにします)、氷冷による冷却を頻回に行って腫れと痛みを抑えます。
圧迫包帯やテーピングで足関節を適度に圧迫・固定するとともに、足を心臓より高い位置に挙上しておくと腫脹軽減に有効です。こうした冷却療法や圧迫・挙上は疼痛と腫れを減少させ、二次損傷を抑える効果があるとされています。
痛みが強い場合には鎮痛剤の使用も検討します。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は内服または外用により疼痛と腫脹の軽減に有効で、短期的な機能改善をもたらすことが示されていますn。ただしNSAIDsの長期使用は治癒過程への影響も考慮し、医師の指示に従って用います。
急性期には損傷組織の保護も重要です。重症度に応じた適切な固定を行いましょう。軽度の捻挫(Grade I~II)であれば、伸縮包帯や簡易ブレースで足関節を安定させつつも可能な範囲で早期から動かすリハビリ(機能的肢位でのリハビリテーション)の方が予後が良好です。
一方、靭帯の完全断裂を伴う重度捻挫(Grade III)の場合、約10日間程度の短期固定(硬い副木ブレースやギプス固定などによる免荷)が推奨されており、その後できるだけ早期にリハビリを開始します。
この初期対応期間に過度な温熱療法(温める処置)を行うことは腫脹や炎症を悪化させる可能性があるため避けるべきです。電気刺激療法は急性期の腫れ軽減に補助的に用いることもあります。
足関節捻挫の治療は原則として保存療法(非手術的治療)で行われます。実際、前述したGrade IIIの靭帯完全断裂例であっても、適切な固定とリハビリによって手術をせずとも靭帯が治癒し得ることが報告されています。手術が検討されるのは例外的な場合です。
例えば、脛骨と腓骨をつなぐ靭帯(下腿骨間の靭帯)に及ぶ損傷で足関節の著名な不安定性(いわゆる高位足関節捻挫で距骨窩の開大を伴う例)がある場合や、保存的治療を十分行っても慢性的な足関節の不安定性や痛みが残存する場合には、靭帯の手術的修復・再建が検討されます。
しかしそのようなケースは稀であり、ほとんどの足関節捻挫は手術をせずに治療・リハビリを行って良好な回復が得られます。
受傷後数日~数週間の回復期に入ったら、痛みや腫れの状態を見ながらリハビリテーション(理学療法)を開始します。急性期に安静を保っていた関節も、炎症が落ち着けばできるだけ早期に可動域訓練を開始することが望ましいです。
まずは足関節の可動域エクササイズ(他動的・自動的な足関節の曲げ伸ばし運動)や、ふくらはぎ・足関節周囲筋の軽いストレッチから始め、関節が固まらないようにします。腫脹や痛みが引いてきたら筋力強化訓練も追加します。
足関節を支える下腿の筋群(前脛骨筋、腓骨筋群、ヒラメ筋・腓腹筋など)の等尺性収縮から始め、痛みのない範囲で徐々に抵抗運動(チューブや重錘を用いた筋トレ)へと移行します。水中歩行やアクアセラピーなど、荷重を軽減した環境での筋力訓練も有効です。
リハビリではバランストレーニング(固有受容感覚の再教育)も早期から取り入れます。片足立ち練習やバランスボードを用いたエクササイズによって足関節周囲の協調性や平衡感覚を向上させることが重要です。
バランストレーニングはリハビリ期間および復帰後のフォロー期間を通じて継続することで、再捻挫の発生率を低減できることが明らかになっています。
加えて足関節だけでなく、体幹や股関節を含めた下肢全体の筋力・柔軟性向上も図ります。捻挫後は足関節の可動域(特に背屈)が制限されがちなので、必要に応じて足関節の関節モビライゼーション(他動的な関節ほぐし)を行い、背屈可動域を改善させると歩行やしゃがみ動作の機能回復に有用です。
リハビリ後期には、徐々にスポーツ特異的な動きの練習を取り入れていきます。
筋力やバランスが十分回復してきたら、まずジョギングやエリプティカルなど足関節への衝撃が比較的少ない直線的動作から再開し、痛みが出ないことを確認します。
次に、ジグザグ走や8の字走行などカッティング動作(素早い方向転換)を徐々に導入し、バスケットボールやサッカーなど実際の競技に近い急停止・急加速やジャンプ着地の動作にも足関節が耐えられるよう訓練します。これらのスポーツ動作の練習は、最初は軽い強度から始めて徐々に負荷やスピードを上げ、選手本人が自信を持って動けるレベルまで段階的に引き上げていきます。
また有痛性を指標にリハビリの進度を調整することも大切です。痛みや腫れが再度増強する場合はトレーニング強度が早すぎるサインなので、一旦負荷を下げて様子を見ます。多くの捻挫では、このようなリハビリプログラムを軽症なら約2週間、重症なら6~12週間程度継続することで、競技復帰が可能な状態まで回復します。
リハビリを経て足関節の機能が改善し、日常動作では痛みなく過ごせるようになったら、いよいよ競技復帰に向けた最終段階です。ただし競技に復帰できるかの判断は慎重に行う必要があります。
焦って早期復帰すると再受傷のリスクが高まり、結果的に離脱期間が長引く恐れがあります。実際、足関節捻挫の約30~50%は再発するとの報告もあり、復帰時期の見極めとリスクマネジメントが極めて重要です。
復帰の判断基準としては、痛みや腫れが引いて関節の機能が十分に回復していることはもちろん、筋力やバランス能力、本人の自信度など複合的な要素を評価します。近年の国際コンセンサスではPAASSフレームワークと呼ばれる包括的評価法が提唱されています。これは以下の5つのドメインに沿って選手の状態をチェックするものです。
Pain(痛み): 安静時や競技動作時の痛みの程度(直近24時間の痛みスコアなど)
Ankle impairments(足関節の機能障害): 足関節の可動域、筋力、持久力・パワーの回復状況
Athlete perception(本人の主観的状態): 足関節の安定感に対する自信や不安の有無、心理的な準備状況
Sensorimotor control(感覚運動制御): プロプリオセプション(固有感覚)や動的バランス能力(片足でのバランステストやスターエクスカーションバランステストなど)
Sport/functional performance(スポーツ機能パフォーマンス): 競技特有の動き(ホップテストや方向転換、アジリティテスト等)や、フルスピードの練習に支障なく参加できるかどうか
これらの項目を総合的に評価し、左右差や基準をもとに復帰可否を判断します。
具体的には、シングルレッグホップテスト(片足での連続ジャンプ距離)や三方向のバランステストなどで、健側の少なくとも80%以上のパフォーマンスが発揮できていることが一つの目安になります。
また、本人が不安なくプレーできると感じているか(心理的準備ができているか)も重要な指標です。復帰前にはテーピングやブレースで足関節を補強した状態で試しに練習参加し、コーチやトレーナーとも連携してプレーのキレや安定感を確認します。
不安要素が残る場合は復帰を先延ばしにし、さらなる筋力強化や技術練習を積む決断もリスクマネジメント上は賢明です。
競技復帰に際しては、再発予防の観点から段階的な復帰プランを立てることも重要です。
いきなり公式戦フル出場ではなく、まずは部分的な練習参加から始め、徐々に実戦形式の練習へと進めます。
復帰直後しばらくは、試合や激しい練習時に足関節サポート(テーピングや足首ブレース)を活用するのも有効です。
特に過去に捻挫歴がある選手は、全ての練習・試合でプロテクションを着用することで再捻挫の発生率を下げられるとのデータがあります。
実際、靭帯サポーター(ラップ式・編み上げ式など各種)やテーピングはいずれも再発予防に有効であり、競技やポジションに応じて使い分けると良いでしょう。復帰後もしばらくは患足の状態に注意を払い、痛みや不安定感が出現した際は早めに対応することが肝要です。
足関節捻挫は再発しやすい傷害であるため、初回の捻挫を治した後も予防策を講じることが大切です。
最大のリスク因子は前述の通り「過去の捻挫既往」ですから、一度負傷した選手は特に念入りな再発予防が必要です。最も効果が立証されている手段の一つがバランス訓練(神経筋訓練)です。
リハビリ期間中から復帰後までバランストレーニングを継続したグループは、そうでない場合に比べて有意に再捻挫率が低下したとの報告があり、NATA(全米アスレチックトレーナー協会)も少なくとも3ヶ月間にわたるバランス・神経筋トレーニングの介入を推奨しています。
このような包括的予防プログラムは初回捻挫の予防にも有用ですが、特に既往のある選手において大きな効果を発揮します。具体的なメニューとしては、片足立ちでのボールキャッチ、バランスディスク上でのスクワット、ラダーを使ったアジリティドリル等、不安定な状況下でのバランス保持や敏捷性向上を目的としたエクササイズが有効です。
また、足関節の外部サポートも再発予防の重要な柱です。前述のように捻挫癖のある足首にはテーピングや足関節ブレースの装着が有効で、これは試合や練習中の再負傷率を下げるエビデンスがあります。テーピングは関節可動域を制限せずフィット感が高い一方、時間経過で緩む欠点があります。
ブレース(足首サポーター)は着脱が容易で安定した圧迫力を得られますが、競技によっては靴に収まりにくい場合もあります。それぞれの長所短所を踏まえ、競技種目やポジションに応じて使い分けると良いでしょう。
例えば、バスケットボールではシューズに装具を入れやすいためブレースの使用が一般的ですが、サッカーやラグビーではスパイクとの兼ね合いでテーピングを選択する選手も多く見られます。いずれにせよ、装具の使用は再発予防に明確な効果があるため、過去に足関節を痛めたことのある選手は積極的に利用を検討すべきです。
さらに、体幹や股関節周囲の筋力強化も包括的な予防戦略として注目されています。下肢のアライメントや踏み込み動作は体幹・股関節の安定性に大きく影響されるため、腹筋群・臀筋群を含めた体幹トレーニングを行うことで下肢全体のバランスが向上し、足関節への負担を減らすことが期待できます。
実際、股関節筋力の低下は男性アスリートの足関節捻挫リスク要因の一つとして挙げられており、体幹・股関節の強化によって間接的に足関節の安定性を高められる可能性があります。具体的にはプランクやヒップアブダクション(横向きでの脚上げ)、シングルレッグスクワットなどで体幹・骨盤周囲を鍛えつつ、足関節周囲の筋群との協調運動を取り入れると良いでしょう。
最後に、予防には競技特性に応じた工夫も重要です。例えば屋外のフィールド競技では適切なシューズの選択(芝用スパイクのスタッド長を調節する等)やグラウンド状態のチェック(雨天でぬかるんだピッチでは無理をしない)が怪我予防につながります。室内競技でもコートコンディション(滑りやすい床でないか等)に注意し、不利な環境下ではテーピングをより頑丈に巻くなど対策を講じます。
また十分なウォームアップとクールダウンの徹底はどの競技でも基本です。特に足関節周囲のストレッチや筋温アップは可動域を広げ、捻挫の発生率を下げる効果があります。日頃からふくらはぎや足関節のストレッチ、バランス訓練をルーティンに組み込み、「捻らない足首」を作っておくことが最大の防御策と言えるでしょう。
足関節捻挫の基本的なメカニズムと治療原則はどのスポーツでも共通していますが、競技種目によって発生状況や復帰に際しての留意点に違いがみられます。
ジャンプの多い競技(バスケットボール、バレーボール、ハンドボール等)では、着地時に他選手の足を踏むなどして捻挫するケースが典型的です。そのため、これらの競技ではジャンプ着地動作のフォーム矯正や空中でのバランス訓練、リバウンド時に周囲と接触しない意識付けなどが再発防止に有効でしょう。また試合中は連続ジャンプで疲労が蓄積しやすいため、交代要員を活用して選手の足首を休ませる戦術も怪我予防には重要です。
方向転換やカッティング動作が多い競技(サッカー、ラグビー、テニスなど)では、素早い方向転換中やタックル回避時に足関節をひねることがあります。
特にサッカーやラグビーでは相手との接触プレーで足が固定された状態になりやすく、高位足関節捻挫(いわゆる脛腓靭帯損傷)が発生する割合が高い点に注意が必要です。研究によれば、一般的なスポーツ障害全体で見ると高位捻挫は足関節捻挫の1~11%程度ですが、競技レベルによっては全足関節捻挫の40~74%が高位捻挫に及んだとの報告もあります。
高位捻挫は通常の外側靭帯損傷に比べ痛みや機能障害の回復に時間を要し、保存療法でも免荷・固定の期間を長めに確保するなどより慎重な経過観察とリハビリが求められます。
サッカーやラグビー選手は、タックルを受ける際に足が地面に固定されたまま体をひねられないよう意識する、スライディング時に足首を極端な背屈・外旋位にしない、といった注意も予防に有効でしょう。
氷上や舞台上など特殊な環境の競技では、それぞれ特有の対応があります。フィギュアスケートやアイスホッケーではスケート靴自体が足関節を強固に固定するため捻挫リスクは下がりますが、その分一度ひねるとダメージが大きい傾向があります。
体操やバレエでは足関節の可動域が極めて大きく、つま先立ち(ポワント)など特殊な動きがあります。これらの競技では、捻挫後に可動域と筋力を完全に元通りに回復させることが競技復帰の絶対条件となります。
装具の装着も演技に支障が出る場合が多いため、他競技以上に入念なリハビリとテーピング技術の工夫で対応する必要があります。また 競技用具や装備とのマッチングも考慮が必要です。
例えばスキーではブーツが足首を固定するため捻挫は稀ですが、ブーツを脱いだオフシーズンのトレーニング中に捻挫するケースがあります。したがって、競技特性に合わせた予防策とリハビリメニューをトレーナーやコーチと相談しながら立案することが大切です。
スポーツ現場では、怪我からの競技復帰時期を誤ると再離脱につながるため、リスクマネジメントの視点から慎重な判断が求められます。足関節捻挫の場合、競技復帰の判断基準として一般的に以下のようなポイントが挙げられます。
・疼痛と機能の回復: 日常生活動作や基本的な練習動作で痛みがなく、足関節の可動域や筋力が健側と遜色ないレベルまで戻っている。腫れもほとんど消失している。
・不安定感の解消: 患者自身が「足首がグラグラする」感じを訴えなくなり、主観的にも「全力でプレーできる」と自信を持てる状態である。アンケート形式の評価(例:足関節の不安定感を評価するCAITスコアなど)で良好なスコアを示す。
・客観的な機能テスト: シングルレッグホップテスト(片脚でのホップ距離・連続ホップ回数)、スターエクスカーションバランステスト(片脚で手を伸ばすバランステスト)等の機能的テストで、患側が健側の少なくとも80%以上のパフォーマンスを発揮できている。複数の方向へのバランステストでも有意な左右差がない。
・スポーツ特異的動作のチェック: ダッシュや急停止・急旋回、ジャンプ着地など、その競技特有の動きを実際に行わせてみて問題がない。コーチの監督下でフルスピードの練習セッションを完遂できる。練習中も痛みや不安なくプレーでき、動きにキレが戻っている。
以上の条件を概ね満たしたら、チームドクターやトレーナーは競技復帰を許可します。
ただし復帰にあたっては段階的復帰(Gradual Return to Sport)の原則を守り、いきなり公式戦フル出場ではなく練習強度を上げながら経過を観察します。
選手本人や周囲スタッフと綿密にコミュニケーションを取り、少しでも異常を感じた場合は無理をさせないことが肝心です。特に初回捻挫後の数ヶ月間は再発リスクが高いため、予防策(テーピング・ブレース装着、バランストレーニング継続など)を徹底しながら、慎重に試合出場時間を増やしていきます。
リスクマネジメントの観点では、「完治判定」を安易に出さず、競技復帰後も経過観察を続けることが重要です。復帰直後は定期的に選手の足首の状態をチェックし、痛みや腫れの再発兆候がないか注意します。
必要に応じてアイシングや休養日を設け、疲労が蓄積しないよう管理します。また、再発を繰り返す場合は一歩踏み込み、原因の再評価を行います。
例えば筋力不足や柔軟性低下が残っていないか、テーピング方法は適切か、競技環境に問題はないか(グラウンドの状態や練習量の過多など)を検討し、必要ならトレーニングメニューの修正や専門医への相談を行います。
状況によっては一時的に競技レベルを落としてリハビリに専念し、完全な機能回復と自信を取り戻す期間を作る決断も、長期的に見れば有益です。
以上、スポーツ選手の足関節捻挫の管理について、発生要因から予防・復帰までを概観しました。足関節捻挫は頻度が高い反面、適切に対処すれば多くの場合は競技復帰が可能な怪我です。
最新のエビデンスに基づいた評価・治療アプローチを踏まえ、焦らず確実に治すことが、その後のパフォーマンス向上とキャリア持続につながります。万一捻挫してしまった際には、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。
【参考文献】
Fong DT, et al. Br J Sports Med. 2007; 41: 221-226. (スポーツにおける足関節捻挫の発生率に関する系統的レビュー)
Kaminski TW, et al. NATA Position Statement: Conservative Management and Prevention of Ankle Sprains in Athletes. J Athl Train. 2013; 48(4)
Waterman BR, et al. J Bone Joint Surg Am. 2010; 92: 2279-2284. (米国における足関節捻挫の疫学)
Mason J, et al. Sports Med Open. 2022; 8: 139. (男女アスリートの足関節捻挫リスク要因に関するシステマティックレビュー)
Ottawa Ankle Rules. BMJ. 2003; 326: 417. (オタワ足関節ルールの有用性検証)
Vuurberg G, et al. Br J Sports Med. 2018; 52(24): 1569-1570. (足関節捻挫の診療ガイドライン)
Smith MD, et al. Br J Sports Med. 2021; 55(22): 1270-1278. (PAASSフレームワーク:足関節捻挫からの競技復帰判断に関する国際コンセンサス)
OrthoInfo - AAOS. Sprained Ankle (足関節捻挫の患者向け解説)
その他、各種ガイドライン・教科書の記載を参照。
競技に本気で取り組む女性アスリートにとって、「股関節の違和感」は見逃せないサインです。
特に、**グロインペイン症候群(Groin Pain Syndrome)**と呼ばれる状態は、進行すると競技復帰が長引くこともあるため、早期の対応が非常に重要です。
本記事では、女性アスリートにおけるグロインペイン症候群の特徴・原因・対処法を詳しく解説し、早期回復に向けたヒントをお伝えします。
「グロイン(Groin)」とは鼠径部(太ももの付け根)のことを指します。
スポーツの場面で、股関節やその周辺の慢性的な痛みが続く状態をグロインペイン症候群と呼び、以下のような症状が特徴です。
ボールを蹴る、ジャンプする、方向転換する動作で痛みが出る
走ると股関節の内側がズキッと痛む
安静にしていても違和感が続く
朝起きると股関節がこわばっている
ストレッチや筋トレで悪化する
特に、サッカー・陸上競技・バスケットボール・バレーボール・体操などの競技に取り組む女性に多く見られます。
女性は男性に比べて骨盤が広く、股関節の可動域が大きいことが多いため、股関節周辺の筋肉にかかる負荷も変わってきます。これにより、筋肉のアンバランスや負荷の集中が起きやすくなります。
女性は柔軟性に優れる一方、体幹や骨盤周囲の筋力が弱い傾向があります。
このアンバランスが、股関節内転筋群や腹直筋、腸腰筋などの過緊張や炎症を引き起こしやすくなります。
女性ホルモンは関節や靭帯の柔軟性に影響を与えるため、月経周期によって痛みや違和感が強くなるケースもあります。
グロインペイン症候群は、ひとつの筋や靭帯の損傷によるものではなく、複数の要因が絡み合って発症します。主な原因は以下の通りです。
股関節の過使用(オーバーユース)
骨盤のゆがみやアライメント不良
内転筋や腹直筋の過緊張・炎症
腸腰筋の柔軟性低下
体幹の安定性不足(体幹筋の弱さ)
股関節の可動性低下
つまり「身体の使い方」「姿勢」「筋力バランス」のトータルな問題として起こります。
ありた整骨院では、グロインペイン症候群に対して以下のような施術を行っています。
まずは立位姿勢や歩行、競技動作などを細かくチェックし、どの部位に負担が集中しているかを評価します。
骨盤のズレや股関節のアライメントを手技療法で整えることで、筋の負担を軽減します。
内転筋群・腸腰筋・腹斜筋など、痛みの原因となる筋膜や筋肉をピンポイントで緩めます。
慢性的な痛みには、自律神経の乱れが関係している場合もあるため、スーパーライザー照射による星状神経節へのアプローチも行っています。
ストレッチや筋トレではなく、正しい動作を習得するためのトレーニング(コアスタビリティや姿勢改善)を実施。
「痛みなく動ける身体づくり」をサポートします。
競技を続ける以上、再発予防もとても大切です。
以下のようなケアを日常的に取り入れていきましょう。
股関節のストレッチ(内転筋・腸腰筋)
体幹トレーニング(プランク、ブリッジなど)
競技前後のウォームアップ/クールダウンの徹底
生理周期に応じたトレーニング強度の調整
日頃の姿勢や歩き方の見直し
女性アスリートの股関節や鼠径部の痛みは、「いつもの疲労」や「我慢できる範囲」だと見過ごされがちです。
しかし、それがグロインペイン症候群の始まりだった、というケースは少なくありません。
早期の評価・施術であれば、競技を中断することなく改善する可能性も高まります。
当院では、スポーツを本気で頑張る女性アスリートのために、根本原因に着目した施術・復帰プログラムをご提供しています。
「なかなか痛みが引かない」「本番に向けて不安がある」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
✅ 完全予約制
✅ プライバシーを守った施術空間
✅ 女性患者様が多く、安心して通院できます
こんにちは、立川市若葉町にある【ありた整骨院】です。
スポーツや日常生活で起こりやすい「ハムストリングス肉離れ」について、医学的根拠に基づきながら、分かりやすく解説いたします。
ハムストリングスとは、太ももの裏側にある「大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋」の総称で、膝を曲げたり、股関節を伸ばしたりする重要な筋肉です。
この筋肉が「急激に引き伸ばされた」または「無理な力が加わった」際に部分断裂を起こすことを、一般的に【肉離れ】と呼びます。
筋肉が冷えた状態で急に動き出すと、筋繊維が柔軟性を失っており、損傷リスクが高まります。
大腿前面(大腿四頭筋)とハムストリングスの筋力バランスが悪いと、ハムストリングスに過剰な負荷がかかります。
長時間のデスクワークや運動不足で、筋肉の柔軟性が失われていると、肉離れを起こしやすくなります。
筋疲労により正しいフォームが崩れ、ハムストリングスが伸ばされやすい動きになり、肉離れを招きます。
運動中の突然の痛み(ブチッと音を感じることも)
太もも裏に激しい痛みと陥凹(へこみ)
腫れ・内出血・歩行困難
ストレッチや圧痛による強い痛み
損傷度合いによって以下の3段階に分類されます:
|
|||||||||
整形外科ではエコーやMRIにて診断を行います。特に中〜重度の肉離れの場合は、画像検査により正確な損傷範囲を把握することが重要です。
RICE処置:Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)を適切に行います。
患部の状態観察:内出血・腫れの程度を確認し、損傷レベルを把握します。
スーパーライザー照射(近赤外線療法):血流促進・炎症抑制・組織回復を促します。
微弱電流(マイクロカレント)療法:細胞レベルでの修復力を高める目的で使用します。
ハイボルテージ療法(レボックス等):疼痛緩和と筋肉内の血流改善に有効。
手技療法・関節調整:筋膜の癒着を防ぎ、患部への過負荷を取り除きます。
テーピングサポート:適切な固定により、再発防止・早期復帰をサポートします。
ストレッチ&リハビリ指導:柔軟性と筋力バランスの回復に向けた指導。
骨盤・股関節の動き改善:体の土台から整える施術を行い、再発リスクを減らします。
→軽視すると、治癒に時間がかかるばかりか、再発を繰り返す慢性化の原因になります。
→過度な安静は筋力低下を招き、再受傷リスクが高まるため、回復段階に合わせた施術・運動療法が必要です。
運動前後のストレッチを習慣化する
適度な筋トレでハムストリングスと大腿四頭筋のバランスを整える
疲労を感じたら無理せず休む
骨盤や姿勢の乱れは整骨院で早めに調整する
ありた整骨院では、スポーツ外傷や慢性痛に特化した施術を行っています。
ハムストリングス肉離れの施術も、再発防止を含めた根本的な原因改善を重視しています。
✔ 施術歴10年以上の院長による一貫対応
✔ 最新機器×手技の融合アプローチ
✔ パーソナルトレーニング的な再発予防指導
✔ 完全予約制で丁寧なカウンセリング
ハムストリングスの肉離れは、「早期発見・早期対応」が回復の鍵です。
違和感を感じた段階でご相談いただくことで、長引かず、再発しにくい状態で復帰できます。