アキレス腱炎とは?
アキレス腱炎とは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)と踵(かかと)の骨(踵骨)をつなぐアキレス腱に炎症が生じる疾患です。
特に運動をしている人(ランナーやサッカー選手など)に多く見られる症状で、繰り返しの負荷やオーバーユースが主な原因です。
主な原因
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オーバーユース(使いすぎ)
過度なランニング、ジャンプ、ダッシュなどを繰り返すことでアキレス腱に微細な損傷が生じる。 -
柔軟性の低下
ふくらはぎの筋肉やアキレス腱の柔軟性が低いと、腱にかかる負担が増加する。 -
不適切なフォームや靴
ランニングフォームの乱れ、踵が硬い靴やクッション性のないシューズなども影響。 -
加齢や体の使い方の癖
加齢により腱の血流や回復力が低下することも一因です。
症状
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アキレス腱部の痛み・圧痛(特に踵の上2〜6cm部分)
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朝起きた時や動き始めに痛みが強く、温まると軽減
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腫れや熱感、硬さ(腱のこわばり)
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歩行・階段の上り下り・走る際の痛み
診断
整形外科や整骨院では、以下の方法で診断されます:
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視診・触診による圧痛の確認
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超音波(エコー)検査による腱の厚みや断裂の有無のチェック
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レントゲン(必要に応じて)
治療方法
1. 保存療法
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安静(痛みを誘発する運動を中止)
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物理療法(超音波治療、電気治療、スーパーライザー照射など)
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ストレッチ・リハビリ:ふくらはぎや足関節の柔軟性を高める
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インソールやヒールパッドの使用
2. 手技療法・整骨院での施術
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筋膜リリースや手技によるアキレス腱周囲の緊張緩和
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ストレッチ指導、セルフケア指導
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超音波やレボックスなどを併用した治療
3. 再発予防のために
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ウォーミングアップとクールダウンを丁寧に行う
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適切なシューズの選定
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筋力バランスとフォームの見直し
注意点
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放置すると慢性化し、腱の変性や断裂のリスクもあります。
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痛みを我慢して運動を続けるのは厳禁です。
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改善には数週間〜数ヶ月かかることもあります。