グロインペイン症候群とは?
グロインペイン症候群は、鼠径部(そけいぶ/股関節の前方・内側)に痛みを感じる状態の総称です。
特定の病名ではなく、複数の原因が関与して起こる慢性的な股関節周辺の痛みをまとめてこう呼びます。
特にサッカー・ラグビー・陸上・アイスホッケーなど、キック動作・ダッシュ・ストップ&ターンを頻繁に行うスポーツで多く見られます。
🔍 主な症状
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鼠径部の鈍い痛みや違和感
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運動時に痛みが増す
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休むと少し良くなるが、再発しやすい
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走る・蹴る・方向転換で痛みが出る
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股関節の可動域が狭くなる
🎯 原因(代表的なもの)
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内転筋の過使用(使いすぎ)
→ 特にサッカーなどで内ももの筋肉に過剰な負担がかかると炎症が起きやすくなります。 -
腹直筋の付着部炎(スポーツヘルニア)
→ お腹の筋肉が引っ張られて、恥骨周辺に負担が集中します。 -
関節の柔軟性不足・筋力バランスの乱れ
→ 股関節周辺の筋肉のアンバランスや硬さが原因になることもあります。 -
股関節唇損傷・骨盤周囲の関節障害
→ 関節の構造的な問題が背景にあることも。
🩺 診断と治療
診断方法:
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徒手検査(内転筋テスト、腹直筋テストなど)
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超音波・MRIなど画像検査で炎症部位を確認
治療法:
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まずは安静と運動制限(悪化を防ぐ)
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ストレッチや物理療法(超音波・電気治療など)
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内転筋・体幹・股関節の筋力トレーニング
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姿勢・動きの改善指導(フォーム修正)
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重度の場合はPRP療法や手術も選択されることがあります
💡 予防のためにできること
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内転筋と腹筋の筋力バランスの強化
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ウォームアップとクールダウンの徹底
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体幹・股関節の柔軟性と安定性の維持
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正しいフォームと身体の使い方の見直し
👨⚕️ アスリートにとっての重要性
グロインペイン症候群は、放置すると慢性化して長期離脱に繋がるリスクがあります。
痛みが軽くても違和感を感じた段階で早期に対応することが、競技復帰・パフォーマンス維持にはとても重要です。