陸上競技長距離でのグロインペイン症候群・鼠径部痛

陸上競技長距離でのグロインペイン症候群・鼠径部痛

 

はじめに:止まりたい自分と、進みたい自分。どちらも大切にしながら、今日できる一歩を。

 

練習量を落としたくない。レースも外したくない。
でも、“あの”鈍い痛みがランを曇らせる――。

 

陸上長距離の現場でよく出会うのが、グロインペイン症候群(鼠径部痛)です。ウォームアップ直後やビルドアップの途中、ペースを上げた瞬間に「内もも〜恥骨周辺がズキッ」と主張する。冷や汗が出るほどではないけれど、“ずっとそこにいる”不快感がフォームを崩し、パフォーマンスをじわじわ下げていく。

 

まずお伝えしたいのは、あなたの痛みは“弱さ”ではないということ。
長距離という競技特性上、反復負荷×姿勢のわずかな乱れ×走行フォームのクセが積み重なり、内転筋群・腹直筋・腸腰筋・恥骨結合・股関節前方組織へストレスが集約されやすいのです。頑張ってきた証拠でもあるのです。

 

 

ありた整骨院は、グロインペイン症候群専門治療院として、Jリーガーをはじめ各競技トップアスリートの施術・復帰を多数サポートしてきました。ここでは、共感だけで終わらず“行動できる”ように、原因の見立てから、痛みを鎮め、走力を取り戻すまでの実装可能なロードマップをお届けします。

 

目次

 

  1. グロインペイン症候群とは?長距離ランナーに起きる“メカニズム”

  2. よくある症状チェックリスト

  3. 長距離特有の“悪循環”パターン(フォーム・筋機能・生活要因)

  4. ありた整骨院の三位一体アプローチ(専門施術の中核)

  5. 段階別リハビリ&ラン再開プロトコル(実践テンプレート)

  6. フォーム改善:今日から使える3つのキュー

  7. 再発予防の“ルーティン設計”とセルフケア

  8. 症例イメージ/よくあるQ&A

  9. 受診の流れ・料金の目安・ご予約方法

  10. 院情報・アクセス

1. グロインペイン症候群とは?長距離ランナーに起きる“メカニズム”

グロイン=鼠径部(そけいぶ)
痛みの主座は内転筋群(長内転筋・短内転筋・薄筋・大内転筋)と、恥骨結合周辺腸腰筋腹直筋下部などが関与しやすい領域です。長距離ランナーでは、以下のような微細なズレの累積が引き金になります。

  • 歩幅過多(オーバーストライド)+骨盤前傾固定
    → 地面反力のベクトルが恥骨・鼠径へ繰り返し集中

  • ピッチ不足(ケイデンス低下)による接地時間の延長
    → 1歩あたりの負荷が増え、内転筋群の牽引ストレス増大

  • 左右差(股関節内外旋のアンバランス)
    → 片側恥骨への引っ張り合い→恥骨結合の微小炎症

  • 体幹・骨盤帯の制御不足
    → 腹斜筋―腹直筋下部―内転筋の“前方スリング”が働かず、腸腰筋の過活動&内転筋過負荷

  • 疲労と睡眠不足
    → 回復力が落ち、慢性炎症化しやすい

 

ポイント:痛みの場所=原因の場所ではない
痛みは結果。骨盤位・脊柱アライメント・足部の安定性まで見立てることが、短期軽減+中長期の再発予防につながります。

2. よくある症状チェックリスト(該当が多いほど要注意)

 

  • ウォームアップ直後やペースアップ時に内もも/恥骨周辺がズキッとする

  • 方向転換・スパートで痛みが増す/翌日に残る鈍痛がある

  • 咳・くしゃみ・腹圧で鼠径部に響く

  • 片脚立ちで骨盤が不安定(ぐらつく感覚)

  • 股関節の外旋/内旋で左右差が大きい

  • 休むと軽くなるが、走るとぶり返す

  • ついストライドで稼ぎたくなる(フォームの自覚あり)

3. 長距離特有の“悪循環”パターン

 

(1) フォーム要因

  • オーバーストライド(接地が重心より前)

  • ピッチ不足(170spm未満が目安、個体差あり)

  • 骨盤の前傾固定+腰椎過伸展

  • 内転筋主導の推進(大殿筋・中殿筋が働けていない)

 

(2) 筋機能/関節制御

  • 大殿筋・中殿筋の出力低下→骨盤安定性の低下

  • 腸腰筋の過活動→前方引き込みによる鼠径圧迫

  • 腹斜筋―腹直筋下部―内転筋の連携不全(前方スリングの弱化)

  • 足部の内側縦アーチ低下→脛骨内旋→股関節内旋偏位

 

(3) 生活要因

 

  • 座位時間の長さと股関節屈曲位の固着

  • 睡眠の質低下(交感神経優位)

  • 栄養・補食のタイミング不整合(回復ギャップ)

4. ありた整骨院の三位一体アプローチ

(グロインペイン症候群専門施術)

①整える(構造)× ②鎮める(炎症・自律神経)× ③動かす(連鎖)
痛みの“点”だけを追いません。“線”と“面”で組み立てます。

4-1. ① 整える(構造の最適化)

  • 骨盤矯正・背骨矯正:前傾固定/回旋偏位を丁寧に補正

  • 足根骨・距骨の微調整:接地からの連鎖を整え、股関節の過回内・内旋を抑制

  • 内転筋腱付着部と腸腰筋周囲の滑走改善:組織の摩擦と牽引ストレスを軽減

4-2. ② 鎮める(炎症・自律神経を整える)

  • スーパーライザーによる星状神経節近傍照射:交感神経過緊張をゆるめ、血流・鎮痛を後押し

  • 超音波/微弱電流:恥骨結合周囲や内転筋起始部の回復促進

  • 痛みの“守り”と“攻め”のバランス設計:無理を止めるラインを合意

4-3. ③ 動かす(運動連鎖の再教育)

  • 前方スリング再活性(腹斜筋―腹直筋下部―内転筋連携)

  • 殿筋群の再学習(ヒップヒンジ・片脚制御)

  • ケイデンス×骨盤安定のフォームドリルピッチ+姿勢+接地を同時に最適化

  • 段階的ラン再開プロトコル:距離・強度・地面条件を管理

 

実績:Jリーガー、各競技トップアスリートの治癒・復帰を多数サポート。
競技復帰後の再発率低減を重視し、メニュー化された予防ルーティンまで伴走します。

5. 段階別リハビリ&ラン再開プロトコル

目安:症状・大会スケジュール・既往歴で調整します。無理な短期復帰は中期離脱のリスク。ここでは“標準形”をご提示します。

Phase 0(1–3日):炎症を鎮める/姿勢を整える

  • 相対的安静+血流改善(温冷の使い分けは状態次第)

  • 骨盤ニュートラル学習(呼吸×骨盤底×腹斜筋)

  • 等尺性収縮:痛みが出ない範囲の内転筋・腹筋

  • スーパーライザー照射/微弱電流:鎮痛・自律神経調整

Phase 1(3–7日):前方スリング再起動

  • デッドバグ/ハーフデッドバグ(恥骨周辺に痛みが出ない強度で)

  • アダクター・プランク(膝支持から)

  • ヒップヒンジ(棒当て)→腰椎過伸展を抑制

  • ショートドリル:マーチ/アンクルホップ(痛みゼロが条件)

Phase 2(1–2週):殿筋×内転筋の協調/片脚制御

  • ブルガリアンスクワット(可動域制限)

  • ラテラルランジ→コペンハーゲンプログレッション初級

  • 片脚立位リーチ(Yバランスの発想)

  • 短時間ジョグ(心拍低強度)痛み0〜違和感1/10が継続条件

Phase 3(2–4週):ピッチ走法+距離伸長

  • ケイデンス目安+5〜10spm(個体最適を探る)

  • ビルドアップ再導入距離<強度を徹底(起点はEペース)

  • コペンハーゲン中級/ヒップスラスト:殿筋の主動化

  • 流し(60〜80m)×数本:フォーム感覚の再学習

Phase 4(4週〜):スピード刺激/レース特異性

  • 坂ダッシュ軽度傾斜×短距離(接地時間の短縮狙い)

  • インターバル再開レスト長め・本数控えめで痛みゼロを確認

  • 方向転換ドリル(クロスオーバーステップなど)

  • ピーキング設計量を落とし質をツマむ

 

復帰判定の基準例

  • 片脚ジャンプ左右差<10%

  • アダクター・スクイーズ(痛み0)

  • 5–10kmテンポ走での痛み0~違和感1/10維持

6. 今日から使えるフォームキュー(長距離版)

 

  1. 「骨盤を“器”に、上半身は“静かに運ぶ”」
    → 体幹の揺れを減らし、内転筋の無駄な牽引を抑える

  2. 「接地は“真下に落とす”」
    → オーバーストライド抑制。ピッチを自然に上げる

  3. 「後ろ足の“股関節伸展”を丁寧に」
    → 腰椎の反りで代償せず、“殿筋主導”で推進をつくる

7. 再発予防:“続けられる”ルーティン設計

 

毎日のミニマム(5〜8分)

  • 呼吸×骨盤底×腹斜筋の連動(30–60秒×2)

  • アダクター等尺性(ボール挟み)(30秒×2)

  • ヒップヒンジ10回+カーフレイズ10回(接地の質を思い出す)

週2–3回(15–20分)

  • コペンハーゲン(初~中級)

  • 片脚ヒップスラスト

  • ラテラルランジ

  • 可動域ケア:股関節内外旋、足部アーチ

生活設計

 

  • 座位60–90分で1回立つ

  • 睡眠のリズム固定(交感神経過緊張の是正)

  • 練習量は3週負荷→1週相対的低負荷の波をつくる

8. 症例イメージ/よくあるQ&A

 

症例イメージ

  • 市民ランナー・フル3時間台/男性
    オーバーストライド+骨盤前傾固定。骨盤矯正+足根骨調整+前方スリング活性+ピッチ+7spmで3週後にビルド走復帰、8週でPB更新。

  • 高校長距離・女子
    片側恥骨周辺痛。内転筋付着部の滑走改善+コペンハーゲン初級→中級、腹斜筋連動で4週後ポイント練復帰。

Q&A

 

Q1. 完全に休むべき?
A. “完全休止”は最小限で。痛みゼロでできる運動を積み上げることが回復を早めます。

 

Q2. 走ってもいい合図は?
A. 日常動作で痛み0、等尺性や片脚立位で恥骨周辺に響きがない、短時間ジョグ後に翌日悪化しないこと。

 

Q3. ストレッチは何を?
A. 症状により異なります。腸腰筋の“長さ”より“滑走”内転筋は伸ばしすぎないなど“適切さ”を重視します。

 

 

Q4. サプリやテーピングは?
A. あくまで補助。構造×自律神経×連鎖にアプローチすることで再発しにくい身体をつくります。

 

9. 受診の流れ・料金の目安・ご予約

 

①カウンセリング・評価
痛みの出方、練習・レース予定、既往歴を丁寧にヒアリング。骨盤・脊柱・足部から走行連鎖を総合評価。

 

②三位一体アプローチで施術
骨盤・背骨・足根骨の調整/内転筋・腸腰筋の滑走改善/スーパーライザー照射 など。

 

③セルフケア&練習設計を処方
段階的プロトコルとフォームキューを**“あなた仕様”**に最適化。

 

④フォロー
練習量・痛みスコアの推移を共有し、復帰~ピーキングまで伴走。

 

自由診療

  • グロインペイン症候群専門施術15,000円/(評価+施術+メニュー設計)
    ※完全予約制。症状・目標に合わせて最適枠をご提案します。

  • PERFORMANCEMAX施術:30,000円(ホームページをご覧ください。)

ご予約

 

  • お電話:042-534-1622

  • 受付時間:ご希望に合わせ調整(大会前のご相談も可)

10. 院情報・アクセス

 

 

ありた整骨院(グロインペイン症候群 専門施術)
住所:東京都立川市若葉町3-64-8
電話042-534-1622
完全予約制/自由診療
実績Jリーガー、各競技トップアスリートの治癒・復帰を多数サポート
対応:骨盤矯正/背骨矯正/足根骨調整/筋膜・腱付着部アプローチ/スーパーライザー星状神経節近傍照射/超音波 ほか

 

まとめ:未来のレースは、今日の一歩の積み重ねから。

 

痛みはあなたの努力の“副産物”かもしれません。しかし、正しく整え、鎮め、動かし直すことで、痛みは強さに変えられる
ありた整骨院は、**“共感で終わらず、実装で支える”**を合言葉に、完全復帰まで伴走します。大会スケジュールや部活・チーム事情、仕事や生活との両立も含め、現実的なプランをご一緒に。

 

**「今の痛みレベルで何ができるか」**から始めましょう。
042-534-1622(完全予約制)/東京都立川市若葉町3-64-8

付録:セルフチェック早見表(保存版)

  • 痛みスコア(0–10)を朝・練習前・練習後・翌朝で記録

  • 片脚立位30秒:左右差・恥骨周辺の違和感は?

  • アダクター等尺性30秒:痛みは出ない?

  • ケイデンス:最近の実測は?(目安+5〜10spm検討)

  • 睡眠:就寝起床の固定化は?

  • 週負荷波形:3週上げて1週落とす“波”がある?

 

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ありた整骨院
東京都立川市若葉町3-64-8
042-534-1622(完全予約制)
グロインペイン症候群 専門施術/Jリーガー・各競技トップアスリート治癒実績