陸上競技長距離でのグロインペイン症候群・鼠径部痛
はじめに:止まりたい自分と、進みたい自分。どちらも大切にしながら、今日できる一歩を。
練習量を落としたくない。レースも外したくない。
でも、“あの”鈍い痛みがランを曇らせる――。
陸上長距離の現場でよく出会うのが、グロインペイン症候群(鼠径部痛)です。ウォームアップ直後やビルドアップの途中、ペースを上げた瞬間に「内もも〜恥骨周辺がズキッ」と主張する。冷や汗が出るほどではないけれど、“ずっとそこにいる”不快感がフォームを崩し、パフォーマンスをじわじわ下げていく。
まずお伝えしたいのは、あなたの痛みは“弱さ”ではないということ。
長距離という競技特性上、反復負荷×姿勢のわずかな乱れ×走行フォームのクセが積み重なり、内転筋群・腹直筋・腸腰筋・恥骨結合・股関節前方組織へストレスが集約されやすいのです。頑張ってきた証拠でもあるのです。
ありた整骨院は、グロインペイン症候群専門治療院として、Jリーガーをはじめ各競技トップアスリートの施術・復帰を多数サポートしてきました。ここでは、共感だけで終わらず“行動できる”ように、原因の見立てから、痛みを鎮め、走力を取り戻すまでの実装可能なロードマップをお届けします。

目次
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グロインペイン症候群とは?長距離ランナーに起きる“メカニズム”
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よくある症状チェックリスト
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長距離特有の“悪循環”パターン(フォーム・筋機能・生活要因)
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ありた整骨院の三位一体アプローチ(専門施術の中核)
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段階別リハビリ&ラン再開プロトコル(実践テンプレート)
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フォーム改善:今日から使える3つのキュー
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再発予防の“ルーティン設計”とセルフケア
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症例イメージ/よくあるQ&A
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受診の流れ・料金の目安・ご予約方法
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院情報・アクセス
1. グロインペイン症候群とは?長距離ランナーに起きる“メカニズム”
グロイン=鼠径部(そけいぶ)。
痛みの主座は内転筋群(長内転筋・短内転筋・薄筋・大内転筋)と、恥骨結合周辺、腸腰筋、腹直筋下部などが関与しやすい領域です。長距離ランナーでは、以下のような微細なズレの累積が引き金になります。
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歩幅過多(オーバーストライド)+骨盤前傾固定
→ 地面反力のベクトルが恥骨・鼠径へ繰り返し集中 -
ピッチ不足(ケイデンス低下)による接地時間の延長
→ 1歩あたりの負荷が増え、内転筋群の牽引ストレス増大 -
左右差(股関節内外旋のアンバランス)
→ 片側恥骨への引っ張り合い→恥骨結合の微小炎症 -
体幹・骨盤帯の制御不足
→ 腹斜筋―腹直筋下部―内転筋の“前方スリング”が働かず、腸腰筋の過活動&内転筋過負荷 -
疲労と睡眠不足
→ 回復力が落ち、慢性炎症化しやすい
ポイント:痛みの場所=原因の場所ではない
痛みは結果。骨盤位・脊柱アライメント・足部の安定性まで見立てることが、短期軽減+中長期の再発予防につながります。
2. よくある症状チェックリスト(該当が多いほど要注意)
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ウォームアップ直後やペースアップ時に内もも/恥骨周辺がズキッとする
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方向転換・スパートで痛みが増す/翌日に残る鈍痛がある
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咳・くしゃみ・腹圧で鼠径部に響く
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片脚立ちで骨盤が不安定(ぐらつく感覚)
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股関節の外旋/内旋で左右差が大きい
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休むと軽くなるが、走るとぶり返す
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ついストライドで稼ぎたくなる(フォームの自覚あり)
3. 長距離特有の“悪循環”パターン
(1) フォーム要因
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オーバーストライド(接地が重心より前)
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ピッチ不足(170spm未満が目安、個体差あり)
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骨盤の前傾固定+腰椎過伸展
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内転筋主導の推進(大殿筋・中殿筋が働けていない)
(2) 筋機能/関節制御
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大殿筋・中殿筋の出力低下→骨盤安定性の低下
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腸腰筋の過活動→前方引き込みによる鼠径圧迫
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腹斜筋―腹直筋下部―内転筋の連携不全(前方スリングの弱化)
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足部の内側縦アーチ低下→脛骨内旋→股関節内旋偏位
(3) 生活要因
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座位時間の長さと股関節屈曲位の固着
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睡眠の質低下(交感神経優位)
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栄養・補食のタイミング不整合(回復ギャップ)
4. ありた整骨院の三位一体アプローチ
(グロインペイン症候群専門施術)
①整える(構造)× ②鎮める(炎症・自律神経)× ③動かす(連鎖)
痛みの“点”だけを追いません。“線”と“面”で組み立てます。
4-1. ① 整える(構造の最適化)
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骨盤矯正・背骨矯正:前傾固定/回旋偏位を丁寧に補正
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足根骨・距骨の微調整:接地からの連鎖を整え、股関節の過回内・内旋を抑制
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内転筋腱付着部と腸腰筋周囲の滑走改善:組織の摩擦と牽引ストレスを軽減
4-2. ② 鎮める(炎症・自律神経を整える)
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スーパーライザーによる星状神経節近傍照射:交感神経過緊張をゆるめ、血流・鎮痛を後押し
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超音波/微弱電流:恥骨結合周囲や内転筋起始部の回復促進
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痛みの“守り”と“攻め”のバランス設計:無理を止めるラインを合意
4-3. ③ 動かす(運動連鎖の再教育)
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前方スリング再活性(腹斜筋―腹直筋下部―内転筋連携)
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殿筋群の再学習(ヒップヒンジ・片脚制御)
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ケイデンス×骨盤安定のフォームドリル:ピッチ+姿勢+接地を同時に最適化
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段階的ラン再開プロトコル:距離・強度・地面条件を管理
実績:Jリーガー、各競技トップアスリートの治癒・復帰を多数サポート。
競技復帰後の再発率低減を重視し、メニュー化された予防ルーティンまで伴走します。
5. 段階別リハビリ&ラン再開プロトコル
目安:症状・大会スケジュール・既往歴で調整します。無理な短期復帰は中期離脱のリスク。ここでは“標準形”をご提示します。
Phase 0(1–3日):炎症を鎮める/姿勢を整える
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相対的安静+血流改善(温冷の使い分けは状態次第)
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骨盤ニュートラル学習(呼吸×骨盤底×腹斜筋)
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等尺性収縮:痛みが出ない範囲の内転筋・腹筋
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スーパーライザー照射/微弱電流:鎮痛・自律神経調整
Phase 1(3–7日):前方スリング再起動
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デッドバグ/ハーフデッドバグ(恥骨周辺に痛みが出ない強度で)
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アダクター・プランク(膝支持から)
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ヒップヒンジ(棒当て)→腰椎過伸展を抑制
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ショートドリル:マーチ/アンクルホップ(痛みゼロが条件)
Phase 2(1–2週):殿筋×内転筋の協調/片脚制御
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ブルガリアンスクワット(可動域制限)
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ラテラルランジ→コペンハーゲンプログレッション初級
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片脚立位リーチ(Yバランスの発想)
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短時間ジョグ(心拍低強度):痛み0〜違和感1/10が継続条件
Phase 3(2–4週):ピッチ走法+距離伸長
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ケイデンス目安:+5〜10spm(個体最適を探る)
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ビルドアップ再導入:距離<強度を徹底(起点はEペース)
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コペンハーゲン中級/ヒップスラスト:殿筋の主動化
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流し(60〜80m)×数本:フォーム感覚の再学習
Phase 4(4週〜):スピード刺激/レース特異性
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坂ダッシュ軽度傾斜×短距離(接地時間の短縮狙い)
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インターバル再開:レスト長め・本数控えめで痛みゼロを確認
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方向転換ドリル(クロスオーバーステップなど)
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ピーキング設計:量を落とし質をツマむ
復帰判定の基準例
片脚ジャンプ左右差<10%
アダクター・スクイーズ(痛み0)
5–10kmテンポ走での痛み0~違和感1/10維持
6. 今日から使えるフォームキュー(長距離版)
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「骨盤を“器”に、上半身は“静かに運ぶ”」
→ 体幹の揺れを減らし、内転筋の無駄な牽引を抑える -
「接地は“真下に落とす”」
→ オーバーストライド抑制。ピッチを自然に上げる -
「後ろ足の“股関節伸展”を丁寧に」
→ 腰椎の反りで代償せず、“殿筋主導”で推進をつくる
7. 再発予防:“続けられる”ルーティン設計
毎日のミニマム(5〜8分)
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呼吸×骨盤底×腹斜筋の連動(30–60秒×2)
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アダクター等尺性(ボール挟み)(30秒×2)
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ヒップヒンジ10回+カーフレイズ10回(接地の質を思い出す)
週2–3回(15–20分)
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コペンハーゲン(初~中級)
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片脚ヒップスラスト
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ラテラルランジ
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可動域ケア:股関節内外旋、足部アーチ
生活設計
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座位60–90分で1回立つ
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睡眠のリズム固定(交感神経過緊張の是正)
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練習量は3週負荷→1週相対的低負荷の波をつくる
8. 症例イメージ/よくあるQ&A
症例イメージ
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市民ランナー・フル3時間台/男性
オーバーストライド+骨盤前傾固定。骨盤矯正+足根骨調整+前方スリング活性+ピッチ+7spmで3週後にビルド走復帰、8週でPB更新。 -
高校長距離・女子
片側恥骨周辺痛。内転筋付着部の滑走改善+コペンハーゲン初級→中級、腹斜筋連動で4週後ポイント練復帰。
Q&A
Q1. 完全に休むべき?
A. “完全休止”は最小限で。痛みゼロでできる運動を積み上げることが回復を早めます。
Q2. 走ってもいい合図は?
A. 日常動作で痛み0、等尺性や片脚立位で恥骨周辺に響きがない、短時間ジョグ後に翌日悪化しないこと。
Q3. ストレッチは何を?
A. 症状により異なります。腸腰筋の“長さ”より“滑走”、内転筋は伸ばしすぎないなど“適切さ”を重視します。
Q4. サプリやテーピングは?
A. あくまで補助。構造×自律神経×連鎖にアプローチすることで再発しにくい身体をつくります。
9. 受診の流れ・料金の目安・ご予約
①カウンセリング・評価
痛みの出方、練習・レース予定、既往歴を丁寧にヒアリング。骨盤・脊柱・足部から走行連鎖を総合評価。
②三位一体アプローチで施術
骨盤・背骨・足根骨の調整/内転筋・腸腰筋の滑走改善/スーパーライザー照射 など。
③セルフケア&練習設計を処方
段階的プロトコルとフォームキューを**“あなた仕様”**に最適化。
④フォロー
練習量・痛みスコアの推移を共有し、復帰~ピーキングまで伴走。
自由診療
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グロインペイン症候群専門施術:15,000円/(評価+施術+メニュー設計)
※完全予約制。症状・目標に合わせて最適枠をご提案します。 - PERFORMANCEMAX施術:30,000円(ホームページをご覧ください。)
ご予約
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お電話:042-534-1622
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受付時間:ご希望に合わせ調整(大会前のご相談も可)
10. 院情報・アクセス
ありた整骨院(グロインペイン症候群 専門施術)
住所:東京都立川市若葉町3-64-8
電話:042-534-1622
完全予約制/自由診療
実績:Jリーガー、各競技トップアスリートの治癒・復帰を多数サポート
対応:骨盤矯正/背骨矯正/足根骨調整/筋膜・腱付着部アプローチ/スーパーライザー星状神経節近傍照射/超音波 ほか
まとめ:未来のレースは、今日の一歩の積み重ねから。
痛みはあなたの努力の“副産物”かもしれません。しかし、正しく整え、鎮め、動かし直すことで、痛みは強さに変えられる。
ありた整骨院は、**“共感で終わらず、実装で支える”**を合言葉に、完全復帰まで伴走します。大会スケジュールや部活・チーム事情、仕事や生活との両立も含め、現実的なプランをご一緒に。
**「今の痛みレベルで何ができるか」**から始めましょう。
042-534-1622(完全予約制)/東京都立川市若葉町3-64-8
付録:セルフチェック早見表(保存版)
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痛みスコア(0–10)を朝・練習前・練習後・翌朝で記録
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片脚立位30秒:左右差・恥骨周辺の違和感は?
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アダクター等尺性30秒:痛みは出ない?
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ケイデンス:最近の実測は?(目安+5〜10spm検討)
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睡眠:就寝起床の固定化は?
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週負荷波形:3週上げて1週落とす“波”がある?
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痛みの背景は一人ひとり違います。専門評価+オーダーメイド設計で、あなたの走りを守ります。
ありた整骨院
東京都立川市若葉町3-64-8
042-534-1622(完全予約制)
グロインペイン症候群 専門施術/Jリーガー・各競技トップアスリート治癒実績