なぜ?グロインペイン症候群は“治りにくい”のか

なぜ?グロインペイン症候群は“治りにくい”のか

—発症メカニズムと回復を遅らせる本当の理由、そして最短で競技復帰するために—

「走るたびに鼠径部がズキッとする」「休むと良くなるが、練習を再開するとすぐ再発する」——。その“堂々巡り”を終わらせるための、ありた整骨院からの提案です。

グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)は、サッカー・陸上長距離・ラグビー・アイスホッケー・バスケットボールなどキック・切り返し・ダッシュが多い競技でしばしば発症します。いったん痛みが出ると長引きやすく、「なぜ治りにくいのか」が理解されないまま対処されるケースが少なくありません。

本記事では、

  • なぜ発症するのか(原因)

  • なぜ治りにくいのか(遷延化の要因)

  • ありた整骨院の専門施術と競技復帰ロードマップ

を、アスリートの現場目線で詳しく解説します。あなたが高い再発予防率で競技復帰し、パフォーマンスを更新するための実用的な知識をまとめました。

 

結論サマリー

  • グロインペインは“部位名”ではなく“症候群”。 鼠径部痛の裏には、内転筋群・腸腰筋・腹直筋/腹斜筋腱膜・恥骨結合・股関節関節唇など複数組織の関与が重なりやすい。

  • 治りにくい最大理由は“複合要因×繰り返し負荷”。 1つ良くしても、見落とした別因子が残ると練習再開で再燃する。

  • 骨盤・体幹・股関節・足部までを一体で再構築し、負荷管理(ロード管理)と動作再教育を合わせて行うと、回復カーブが一気に安定する。

  • 「痛みゼロ=終了」ではない。 競技復帰には基準テストの合格(筋力左右差・アジリティ・キック動作の再現性など)が不可欠。

グロインペイン症候群とは?

 

鼠径部(そけい部)痛を主症状とする複合的な運動器の障害群の総称です。臨床では以下のように細分類されます。

  • 内転筋関連(Adductor-related):長内転筋・短内転筋・大内転筋などの筋腱移行部の機械的ストレス/腱付着部炎。

  • 腸腰筋関連(Iliopsoas-related):ダッシュや前方への脚振りで腸腰筋腱に摩擦・炎症。時にスナッピング。

  • 鼠径部(Inguinal)関連:腹斜筋腱膜・内外腹斜筋・腹横筋と鼡径部前壁の不均衡(いわゆる“スポーツヘルニア”様)。

  • 恥骨関連(Pubic-related):恥骨結合部周囲の炎症/骨膜炎。左右の張力アンバランスでミクロな剪断が持続。

  • 股関節関連(Hip-related):FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)、関節唇ストレス、可動域制限。

実際のアスリートでは2〜3領域が同時に関与していることが多く、これが**“症候群”ゆえの難しさ**です。

 

なぜ発症するのか(原因)

 

1)繰り返しのキック/切り返し動作

  • ボールインパクト時の内転筋群の遠心性負荷、骨盤前傾と体幹回旋の不均衡で腱付着部にマイクロダメージ。

  • 方向転換やスプリント開始時、股関節外転→内転の高速スイッチで筋腱に高剪断。

 

2)骨盤アライメントと体幹コントロールの乱れ

  • 片側前傾・側方シフト・回旋偏位により、恥骨結合に左右差ストレス

  • 下腹部(腹斜筋群)と内転筋の張力バランス破綻

 

3)股関節可動域のアンバランス

  • 内旋制限・伸展制限・過度な外旋優位などが代償運動を生み、鼠径部へ集中負荷。

 

4)足部・足関節の不安定性

  • 過去の捻挫で距骨下関節・足根骨が不安定→接地時の内側崩れが連鎖し、内転筋群に過荷重。

 

5)練習設計(ロード管理)不良

  • ダッシュ・キック量の急増、人工芝→硬い路面への変更、短いリカバリー、試合過密など。

 

6)回復要素の不足

  • 睡眠の質・栄養(特にタンパク質/鉄/ビタミンD)・コンディショニングの不足。

なぜ治りにくいのか(遷延化のメカニズム)

  1. “複合病変”を単独病変として扱ってしまう
    例:内転筋だけをケア→腹斜筋や恥骨結合ストレスが残存→練習再開で再燃

  2. 炎症サイクルの“未完了”
    痛い→数日休む→少し良い→すぐ実戦復帰→修復前に再負荷→慢性化。

  3. 骨盤・体幹の制御不全
    痛みで内転筋の神経筋抑制が起きる→代償(腰椎反り・股関節前ズレ)→悪循環

  4. 足部〜股関節の運動連鎖エラー
    接地で内側アーチが潰れる→膝が内側へ→股関節内旋バイアス→鼠径部過負荷の再現

  5. テクニックの未調整
    キック・切り返し動作のタイミング/軌道が変わらない限り、同じ部位に同じ力がかかり続ける。

  6. 復帰判定の基準不足
    「痛み0だからOK」ではなく、アドダクター握力(Squeeze test)左右差・等速性筋力・アジリティ/CODテストなどの客観指標が必須。

  7. 心理要因
    痛みへの恐怖で出力が抑制→フォームが硬くなり再負荷。メンタル支援も重要。

自己チェック(目安)

 

※悪化する恐れがあるため、強い痛みが出る場合は中止し専門家へ。

  • Adductor Squeeze Test(膝90°曲げ・0°伸展位):内ももを挟んで力を入れた時に鼠径部が痛む。

  • 股関節の屈曲・内旋:可動域差や詰まり感。

  • 片脚バランス+軽いスイング:接地で内側に崩れる/恥骨周囲に違和感。

当院ではこれらを痛みスケール・筋力測定・動作解析と合わせ、原因マップを可視化します。

 

ありた整骨院の「グロインペイン症候群専門施術」

 

ポイントは“三位一体”——評価 × 施術 × 動作再教育

  1. 精密評価(原因の見える化)

    • 触診・徒手検査(内転筋群/腸腰筋/恥骨結合/鼠径部前壁)

    • 股関節可動域・筋力左右差、アドダクター握力テスト

    • 走・切り返し・キックの動作解析(骨盤・体幹の使い方、接地の質)

  2. 組織回復を促す手技・物理療法

    • レボックス超音波スーパーライザー等で炎症鎮静と組織修復をサポート

    • 筋膜・腱移行部の滑走改善、付着部の張力最適化

  3. 骨盤・股関節のアライメント再構築

    • 骨盤矯正/体幹スタビリティで恥骨結合の剪断を減らす

    • 股関節の伸展・内旋を回復し、代償を解消

  4. 神経筋リトレーニング

    • 内転筋×下腹斜筋の協調(クロスコネクション)

    • ヒップロック/ランジ/コペンハーゲンアダクション等で段階的に出力復元

  5. 動作再教育(技術介入)

    • キックの踏み込み角度・骨盤の収束・軸脚の接地を個別最適

    • 切り返し(COD)の減速→再加速ドリルで剪断を分散

  6. 足部〜接地の最適化

    • 過去の捻挫・足根骨のズレを矯正し、内側アーチの回復→上行性の過負荷を遮断

  7. ロード管理とメンタル支援

    • 週あたりのキック本数・ダッシュ量を段階的に漸増

    • 不安への対処・セルフモニタリングで再発不安を低減

施術実績:Jリーガーをはじめ、各競技トップアスリートの回復・競技復帰を多数サポート。※個人情報保護のため症例は院内で口頭ご説明いたします。

競技復帰ロードマップ(目標と合格基準)

 

Phase 0|疼痛コントロール

  • 目標:安静時痛0〜1、歩行・階段での違和感最小化

  • 合格基準:Squeeze test 軽度、圧痛の局在化

Phase 1|基礎再構築

  • 目標:骨盤・股関節可動域の回復、内転筋×下腹部の協調回復

  • 合格基準:片脚スクワットで骨盤安定、アクティブ内旋の改善

Phase 2|筋力・出力復元

  • 目標:コペンハーゲン系で痛みなく負荷増

  • 合格基準:等尺性アドダクター出力の左右差≤10%

Phase 3|スプリント/キック再導入

  • 目標:直線ダッシュ→カーブ→切り返し→キックを段階的に

  • 合格基準:競技特異的ドリルを痛み0–1で反復再現

Phase 4|実戦復帰・再発予防

  • 目標:実戦強度での連日負荷に耐えうる

  • 合格基準:練習後24–48hの痛み・張りがベースラインへ復帰

予防とセルフケア(再発を防ぐ日常設計)

  • 週2–3回の内転筋+下腹部協調ドリル(軽強度で継続性重視)

  • ラン前:股関節伸展・内旋系モビリティラン後:腸腰筋・内転筋ストレッチ

  • 接地の見直し(母趾球・小趾球・踵の三点支持)

  • 睡眠・栄養・水分の最適化(タンパク質・鉄・ビタミンD)

  • 週あたりの総ボリューム管理(急増は×。10–15%増を上限目安)

よくあるご質問(FAQ)

 

Q. どれくらいで競技復帰できますか?
A. 病変の範囲と既往、現在の筋力・可動域・動作エラーの程度で大きく異なります。当院では初回評価で“現実的な目安”をご提示し、各フェーズの合格基準をクリアしながら復帰可否を判断します。

 

Q. 痛みが一度消えたのに、練習でぶり返します。
A. “痛みゼロ”はスタートラインです。筋力左右差・フォーム・ロード設計が整っていないと再発しやすく、当院はここを重点的にサポートします。

 

Q. どの競技に対応していますか?
A. サッカー、陸上長距離、ラグビー、バスケットボール、アイスホッケーなど切り返し・キック・ダッシュが多い競技に多数実績があります。

 

ありた整骨院がこの症状に“本気”で取り組む理由

 

グロインペイン症候群は、才能や努力とは無関係に、ある日あなたのキャリアの舵を切ってしまいます。私たちは、

  • 痛みの解消だけでなく、ハイパフォーマンス更新

  • 再発率の低減とキャリアの延伸

  • 海外挑戦や上位カテゴリ昇格など**“次の景色”への背中押し**

をミッションに掲げています。アスリート人生を諦めないでください。私たちは、評価・施術・動作・メンタル・ロードの全部に伴走します。

受診の流れ・料金

  • 完全予約制|初回60–90分(評価+施術)

  • 自由診療コース15,000円(グロインペイン症候群専門施術)
    ※競技レベル・症状に応じてご提案。プロ/ハイパフォーマンス志向の方には**「PERFORMANCE MAX」**(アスリート特化プログラム)もご用意しています。

※症状・競技特性により回数・期間は個別に異なります。医療機関との併用も可能です。

ご予約・お問い合わせ

 

ありた整骨院
〒190-0001 東京都立川市若葉町3-64-8
TEL:042-534-1622
完全予約制/プライバシー配慮/時間外応相談/出張応相談

対象エリア(来院多数):立川市・国分寺市・東大和市・国立市・昭島市・小平市・武蔵村山市・多摩地区・東京都・神奈川県・埼玉県・栃木県・秋田県・徳島県・山口県・韓国

 

最後に(一歩を踏み出すあなたへ)

 

「痛みがある自分」と「前に進みたい自分」。どちらも大切にしながら、今日できる最小の一歩を。評価の一歩、フォーム修正の一歩、セルフケアの一歩。その積み重ねが、復帰とキャリアアップを確かな現実に変えます。私たちはその隣で、最後まで伴走します。